湖面に映る古城の影が、次なる戦いの予感を告げていた。
風が水面を撫でるたび、新しい仲間への期待が胸を高鳴らせる。
トラン湖の本拠地を手に入れた解放軍に、マッシュが重要な進言を行う。
108星を集めるための第一歩は、コウアンという町に住む男性との出会いから始まった。
皆さん、こんにちは。
幻想水滸伝の深い魅力を日々探求しているバグピクです。

マッシュの読み通り、レパントは解放軍に欠かせない仲間になるのだ!
本記事では、マッシュの進言によるコウアン行きから、レパント邸での銘刀キリンジ奪取までを綴ります。
仲間を想う愛情と、正義への決意。
レパントの心境変化と、彼を支える仲間たちの絆が織りなす、新解放軍加入エピソードをお届けします。

シーン概要:策士マッシュの眼力と、愛に縛られたレパントの苦悩
ドラゴンゾンビの咆哮が消え、静寂を取り戻したトラン湖の本拠地。
石造りの広間に響くのは、マッシュの落ち着いた声だった。
「コウアンの町にレパントという男がいます。彼を仲間に引き入れましょう。必ずや、役に立つはずです。」
その言葉に込められた確信が、解放軍の新たな運命を切り開こうとしている。

本拠地を出て、カクから南へ向かった一行が足を踏み入れたコウアンの町。
石畳に響く足音とともに聞こえてくるのは、住民たちの不安に満ちた囁き声だった。
「ここ、コウアンの町は、レパントさんのおかげでもっているんだ。それなのに、あの新任の軍政官め」
「レパントさんも最近はすっかり門を閉ざして、だれにも会ってくれないんだ」
新任でやってきた帝国の軍政官は、何故か評判が悪い様子・・・。

町の有力者と噂されるレパントに会おうと邸宅を訪れるも、執事ジョバンニの冷たい応対が待っていた。
「申し訳ありません。主人のレパントは忙しくてお会いになれません」
「いいかげんにしてください。帰った、帰った!塩を撒きますよ!」
その必死さの裏に、何か深い事情が隠されているようだった。

そこに現れたのが、町の情報通を名乗る男・クリン。
「ようしきた。ここじゃ場所が悪い。宿に部屋をとろうぜ」
宿の個室で明かされたのは、レパントの心を動かす秘策だった。
「レパントには大事にしているものが二つある。一つは、妻のアイリーン。もう一つが、銘刀キリンジさ」

クリンの策に従い、屋根からレパント邸に忍び込む坊ちゃんたち一行。
邸内に待ち受けていたのは、巧妙なからくり仕掛けの数々。
からくり人形の視線を避けながら進む緊張感、ルーレットが回る音に心臓の鼓動が重なる。
そして奥の部屋で、ついに手にした銘刀キリンジの重み。

レパントの苦悩と想い
そして迎えた、運命の対峙。
キリンジを盗まれたレパントが宿屋に現れた時、その瞳に宿っていたのは怒りではなく、深い悲しみだった。
「私の身が私一人の物なら喜んで力を貸したのですが・・・今はそういう訳にいかないのです。」
愛する家族を守るために、正義から身を引く男の心。
このあと、アイリーンが軍政官に連れていかれたことをジョバンニが伝えにくるのだが──。

心に残ったセリフ
「コウアンの町にレパントという男がいます。彼を仲間に引き入れましょう。必ずや、役に立つはずです。」
― マッシュ

「俺は あの日の選択を間違っていたとは思わない。今でも、正しかったと思う。」
― パーン

「覚悟はできてます。あなたと 夫婦の縁を結んだ時から。」
― アイリーン

印象に残る3つのポイント
1. 屋敷のからくり師ジュッポ
ジュッポは邸内の仕掛けを作った張本人。
彼の軽口の裏には、戦乱を“遊び”に変えてしまう天才的な生き方がある。

2. 再び現れる軍政官クレイズ
かつての権力を失いながらも、なお下卑た笑みを浮かべる姿に、誰もが「またこいつか」と呟く。

3. 坊ちゃん、かつての上官との決別
クレイズの傲慢な言葉を前に、坊ちゃんはついに感情を露わにする。
恩義と正義の狭間で揺れていた少年が、解放軍の一員としての覚悟を示した瞬間。

Q&A
- レパントはなぜ最初、解放軍の誘いを断ったのですか?
-
妻のアイリーンを危険にさらしたくなかったからです。
「私の身が私一人の物なら喜んで力を貸したのですが」という言葉からも、家族への深い愛情が分かります。 - 銘刀キリンジを盗む必要があったのはなぜですか?
-
レパントが誰とも会おうとしなかったためです。
クリンの策により、大切な家宝を盗まれることで否応なしにレパントを行動させる必要がありました。 - ジョバンニはなぜあんなに必死だったのですか?
-
主人レパントへの深い忠誠心からです。
アイリーンが連れ去られた時の「だんなさまーーっ!!!!」という叫び声に、その想いが込められています。

連れ去られたアイリーンを救え!そこでまさかの再会・・・
軍政官庁では、レパントの妻アイリーンが帝国の軍政官クレイズに連れ去られていた。
権力を笠に着た彼の振る舞いは冷酷そのもので、見る者の怒りを誘う。
クレイズは坊ちゃんたちを始末する為、ある男を呼び出す。
それは、かつて坊ちゃんと共に戦ったパーンだった・・・。

彼は、テッドの居場所をクレイズへ密告してしまった罪を背負い、苦悩の面持ちで立っていた。
だが彼は裏切りを悔い、鍛え上げた自慢の拳をかざしクレイズを退ける。
かくして、アイリーンの救出とともにレパント夫妻、そしてパーンが再び仲間として解放軍に加わるのだった。

次章へのささやき
コウアンでの出来事を胸に、解放軍は次なる仲間を求めて旅立つ準備を整えていた。
マッシュの確かな眼力で選ばれた仲間たちが、少しずつ本拠地に集い始めている。
レパントの加入で戦力は確実に向上し、パーンの拳術も心強い。
そして風の便りに聞こえてくるのは、各地に散らばる108星の仲間たちの声。
次はどんな出会いが待っているのか──
期待に胸を躍らせながら、古城の窓から湖面を見つめる坊ちゃんの眼差しに、決意の光が宿っていた。